Over the Rainbow

その音を探しに

虹に到る病、もしくは幸福な呪い 4/14L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR 2024 yokohamaARENA

2月より始まったこのunbound

tourも愈々最終日

初日と千秋楽を観られたのは、この上なき喜び

特にこの〆を共に過ごせた事は、生涯忘れ得ぬと思う

L'Arc〜en〜Cielだけでなく、今まで観てきた全ライブの中で一番のライブだった

 

前日はお財布忘れ、この日も時間配分を間違えて割とギリギリ到着と折角のライブを万全で臨めなかった事を猛省す

だが、半分ダメ元と覚悟していたラルカフェも、アイスココアだけの販売が勿怪の幸いで無事ルシエルちゃんコースターもget(100円お安くなってたのは、L’飾りがなくなったからかな?w)

かなりギリギリ入場だったが、前日に場所を確認していたのですんなり着席できたのは幸い

前日がアリーナスタンド1列目、2日目は同じエリアの至近4段目という近さだったw

だが、この僅かな違いが案外と大きく、それも逆に良い方に働いてくれて満足な位置での参加となった

1列目も実質センターと言える良席だったが、若干高い位置にあがっただけで視野が広がって俯瞰度も増して高揚

と、気分高まったところで、また正面から開演を見られたので更に嬉しいw

今度こそBLACK ROSE始まり

今回のツアー2日目参加が多かったので、皆殺しよりこちらの始まりに馴染んでしまったw

心持ち、前日より音響が悪い気もするが、それを凌駕する演奏に圧倒される

hydeさんも、決して万全の声とは言えないが表現力の深みは増していて驚くほど

細かなことはどうでも良くなってしまうくらい、L'Arc〜en〜Ciel4人と会場全体の一体感が凄かった

音と感情の坩堝って、こうなるのかと思いながらその渦にダイブする

ラルクのファンになってそれなりの年数を過ごし、ライブも多分50回以上通っているが、断言する

この夜はラルク史上の至高だったと

 

演奏、歌唱、演出、個々を挙げたらもっと良い日もあったかもしれない

個人的にはhydeさん声艶は苺ラニバが最高だったと思うし

前日ライブも素晴らしかった

だが、L'Arc〜en〜Cielを愛する、この1点に於いて会場全員の心が一体化したのはunderground最終日のこの夜だったと私は感じた

勿論、我々ドエルはずっとL'Arc〜en〜Cielを愛している

だが、この夜、これほどの一体感を得ることができたのは、他ならぬL'Arc〜en〜Ciel本人たちがこのバンドを心底愛しているのを認められたからではないだろうか

彼らもプロ、今までのライブだって全力で臨んでいたのは伝わっている

が、それなりの歳月、彼らを見てきたファンはずっとその底にある澱を感じ取っていたと思う

そりゃあもう、色々あったし

えぇ、言い尽くせぬくらいに

ビジネスライクにL'Arc〜en〜Cielで有り続けていたとしても、それはそれで致し方ないと肝を据えて観ていた部分もある

周年ライブの度に、「コンスタントに活動しない、こんな癖のあるバンドによく付き合ってくれた」と言われても、笑って受け流していた

 

それが少し変わってきたのは、コロナ禍を経たからなのか、ラルクの面々が歳を重ねたからなのか

或いは、その両方なのかもしれない

卑下する事も、過大評価する事もなく、正しく自らを受け入れ愛せる

人はそうなって初めて、本当に他者も愛せるのではなかろうか

L'Arc〜en〜Cielの4人も、ラルクである事に複雑な思いを抱え続けてきたであろう

それが、この数年の世界変化と自身が重ねてきた歳月が鍵となり、縛り付けた箍を外して、L'Arc〜en〜Cielを愛するL'Arc〜en〜Cielになれたように感じた

ラルクラルクを愛して初めて、真の一体感を編み上げられた“L'Arc〜en〜Cielに至る病”が発症する

underground千秋楽は、メンバーもドエルも全員が罹患したラルク史上最高な記念日になったのだ

長い歳月掛かったねw

この先、どんな展開になったとしても、この夜があった事で何があっても受け入れられる

そう考えると、L'Arc〜en〜Cielに至る病とは或る種の呪いかもしれない

但し、それは得難い幸せな感情を伴う呪いであるが

 

野狐禅な事を書いているのは判っている

取り留め無すぎて読んで貰う意味ない事も

だが、書かずにいられない

何故ならば、私もL'Arc〜en〜Cielに、虹に至る病だから

これはもう、幸せな呪いとしか言いようがない

 

本当に幸せな時間だった

妖艶すぎて怪しげなお芝居を見た気分になったTHE NEPENTHESや、ツアー中の努力の集大成が大成功だったOpheliaの艷やかなサックスw

前日もだがGLMWが刺さって刺さって、ぐちゃぐちゃに泣きながら歌ってたし、ミライは諦めず前進する勇気に“その歌声を糧に”与えてくれた

正直、発売時はここまで心に深く広がる歌になると思っていなかった

ラルクにしてはストレート、ひねりや比喩がない歌詞に物足りなさを感じたし

だが、ライブで聴く度、私の中で大きく育ったのを感じた

困難な禍を乗り越え、ミライを目指す意思を高らかに謳い上げる曲だからこそ、平明な歌詞であることがチカラを呼ぶのだと

それが最高潮に達したのがアングラ千秋楽のこの日だった

それはこの曲だけでなく、どの曲っもだったが

ライブ定番曲のVivid Colorsがこんなに鮮やかに新しい輝きを見せてくれると思ってなかったし、flowerの素晴らしさと言ったらもう

花柄スクリーンな花道の上で膝を折り、天を仰いで驚異的長さで最後の“flower”を歌い上げたhydeさんを観られただけで、長年ファンを続けて来た全てが報われた気がした

それくらい絶世の歌唱、絶世の美貌だった

この凄さ、絶対に忘れない

また、麒麟組で稼働部隊が走り回って全員集結したのも強く印象に残った

hydeさんとkenちゃんが絡んだ花道は見えない方だったのだが、丁度見える位置にいたtestuyaさんがΣ(º ロ º๑)とした顔になり、凄い勢いで駆け寄って行ったので私も状況に気がついた

イヤ、ホントにホント、ビックリしたよ

こんなに和気藹々と演奏する姿を観られる日が来るとは思ってなかった

3人とも少年に戻ったような表情で、胸が熱くなったな

更に、中央で動けないyukihiroさんの元へとも集まり、久しぶりに一寸だけドラムソロをやってくれたのも望外の喜び

アンコール前にドラムソロをやってくれなくなって結構になるが、まさかkilling meで聴けるとは

嘗ての鬼気迫るドラムとはまた違う、なんだか温もりさえ感じさせる、本当に嬉しそうなリズムでそれも驚き

そうか、yukihiroさんも本当にこの日を愉しんでくれたんだね

胸が熱くなった

どの場面も素晴らしすぎて

 

思い出すがまま、取り留めなく書いているが、現場とライブビューイングを見られた幸運な者たちの記憶にしか残せないのは勿体なすぎる

どうにか映像化し、形として受け継いでいけないでしょうかねぇ……

諸般事情があるのは判るが、どうにか御一考を伏して願い奉りたい

演奏だけでなく、ルシエルちゃんMCも伝説級

ライブ新人キャラなのに、ここまでレベルの高い事やってくれるとは、嬉しい誤算でしょラルク当人たちもw

特にhydeさんは「生んでくれてありがとう、“パパ”!」と言われ、なんとも言い難い絶句してたしwww

前日のAIによる“エンジェリックボイス”認定、この日のルシエルちゃんからの“パパ”逆認知w、そしてyukihiroさんからの“美の基準”太鼓判と、一挙に3つの名称を得てしまったのも、過去ライブではあり得なかった事態ww

yukihiroさんから「(好きな寿司ネタは」かっぱ巻き」との生声引き出したりとかも、凄かった

ラルク最終兵器は、ルシエルちゃんかもしれないw

 

と、長々書いたが、記憶は記憶のままにしておくのもまた、正しいライブなのだとも判っている

hydeさんも「珍しい曲をやったでしょ、次は20年後までやらないかおもしれないから、しっかり聴いておいて!」とMCした

ライブは一期一会

その音、空気はその一瞬を得難いもの、心して飲み尽くすべきなのだろう

判ってはいるけどね

でも、未練がましく、再びの幻を夢見てしまう

だって、我々は虹に至る病に罹ってしまったのだから

“夢を描くよ、どこまでも高く”

しても、良いじゃない?w

横浜アリーナに集ったドエルの魂を高らかに歌って、3ヶ月の夢は閉じた

演奏が終わり、会場を駆け回ってハグするhydeさんとリーダーは、きっと32年前に戻っていたと思う

ほんっとーーーに紆余曲折山あり谷あり絶壁ありで複雑な三十余年だったが、今一度、新たに虹を架けることができた夜だった

メンバーが捌けた後、このツアー映像が流され、現在新譜作成中の告知で本当にエンディング

シングルなのかアルバムなのかも教えてくれないのが、如何にもドSなラルクらしいw

それでも、ドMなドエルは歓喜に湧いて

だって、永遠にL'Arc〜en〜Cielに至る病の患者なのだから、仕方ないw

生涯ドエルで上等

有り難う、この幸せな呪いに心からの感謝を

 

 

【 4/14 setlist】

1. THE BLACK ROSE
2. EXISTENCE
3. THE NEPENTHES
4. 砂時計
5. a silent letter
6. Ophelia
7. Taste of love
8. Voice
9. Vivid Colors
10. flower
11. It's the end
12. Cureless
13. Blame
14. 叙情詩
15. GOOD LUCK MY WAY
16. Killing Me
17.  NEXUS4
18.Bye Bye
19.ミライ
20. Link
21. MY HEART DRAWS A DREAM

4年越しのEuphoria 4/13 L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND 横浜アリーナ

underground4回目は、地元県横浜アリーナ

片田舎住み故、何処のライブも片道1時間2時間普通なのだが、今回は直通便が出来たのもあり1時間未満で行けた!!ヽ(=´▽`=)ノ

……と燥いだのが悪かったのか、財布を忘れるという大失態をやらかし暗澹たる始まりに

同じく財布忘れのフォロワーさんがポストしてなかったら自身も同じ轍な事に気が付かず、新横浜で慌てふためく事態になってたw

身内助けを受け、どうやら会場入り出来たが時間なくてラルカフェとL'LOTOは断念

横浜限定祖母菓子ハーバーを手に入れただけでも良しとするw

 

今回、初めて抽選外れてアップグレード出来なかったが、一般席でも悪くないポジションで満足

アリーナと言う名のスタンド1階だが1列目なので、前を遮られないのがありがたい

機材席後ろ辺りで、これは音響等が一番整えられた場所と思ってる(アリーナクラスだとそれほど変わりないかもだけどねw)

 

紗のカーテン越しの開演は変わらず

ラッキーな事に、口切りを正面から見られた

柱が少し気にならなくもなかったが、スタンドでも舞台が遠くないので代々木よりカーテン内側が透けて見える感じ(目が悪くて細部まで確認はできなかったが)

なんとなくブラックローズ始まりの印象が強かったので、今回の前奏は騙されたw

皆殺しと黒薔薇で交互にOPするのは、性格エグいですおラルク様ww

最初の数音、区別つけるの至難っすw

セトリは下記だが、基本的に毎回同じ感じの初日ver.

でも、それでいい

いや、もうここまで来ると“それが良い”レベルまで、ドエルは練り上げられているw

 

数曲聴いた段階で、正直hydeさんの声は疲れを感じさせるものはあった

高音の捻じれ、絞り出し感は代々木ではなかったもの

だが、では歌唱が悪かったかといえば寧ろ逆

声の伸び、艶の掠れを表現力で巧みに抑えていたのが流石としか

高音は最後まで厳しそうだったが、低音は寧ろ骨太さを押し出し、感嘆レベルに持ち上げていた

後述するが、ANGELIC VOICEと讃えられる度に発してくれた声も、エンジェルというより実に男性的エロスが溢れる低音w

 

hydeさんの声に疲れが出ているものの、毎回殆ど変わらぬ選曲のライブを飽きさせず観客を魅了出来るのは、L'Arc〜en〜Cielとしてこのツアーを練り上げてきたからだと思う

ツアー前は、かなり大変だったらしい

TETSUYAリーダーが「ツアー前練習、毎回1人だけが続いた」と零すほど芳しくない状況から、よくここまでの高みに持ってきたと感服すると同時に安堵してしまった

tVインタビューでも言っていたが、バラバラの個性的すぎるメンバーが4人集まっちゃった面倒くさいバンドがL'Arc〜en〜Ciel

今だってギリギリの刃の上を疾走ってる

それでも三十余年やってきた矜持が彼らの芯にあり、今ここに在るのだ

 

起爆したら手に負えない輝きを放つラルクが、同じ曲を練りに練ったライブ、飽きようもない

私の記憶力が悪いのもあるが、聴く毎に初めての様な感動を覚えてしまう

美しい曲を聴くだけなら、音源ありゃあそれで済む

清濁併せ呑む異彩を堪能するのが、ライブの醍醐味なんだと思う

 

そう言った意味で、今回のルシエルFC限定のライブは嘗てない異彩も味わう事が出来た

ラルクのMCは基本的にhydeさんが要所々々に細かく入れつつ、終盤にkenちゃんが地雷級シモネッタを投下し阿鼻叫喚させるというパターンが出来ていたが、今回、FC特典なのかいつもと違う流れに

hydeさんデザインのFCキャラのルシエルちゃんがMCとして登板

ドエル泣かせのラルクイズを巧みに仕切り、終盤のMCを見事に采配しファンの心を鷲掴みにした!www

あまりにセンスもキレも良いやり取りに、ルシエルちゃん退場後、hydeさんKenちゃんが『頭の回転が良い……』と唖然とするほど

いきなり

ルシエル「(自分の顔T着用している)kenさんは顔が2つありますが、上下どちらが本当?」

ken「もっと下、本当はぞうさん、もじゃもじゃだよー」

ルシエル「ドエルの心にはkenちゃんが居て、みんなもじゃもじゃ」

ken「!!1人ぼっちでコンプラ破ってたのに、仲間が!!」

と、kenちゃんハートも鷲掴み

kenちゃんシモネッタをあんなに軽々と切り返すキャラ、初めてだwww

hydeさんにエッチな方を答えさせようとファンを煽った上に、「よく調教されたドエル」と纏めるルシエルちゃん

唖然hydeさんが「誰がこんな風にした」といえば、ル「貴方です」と返すキレの良さ

こんなキャラだと思わなかったけど、実にラルクそのものなキャラだったwww

こんなに腹の底から笑ったの、久しぶり

でも、リーダーの真面目返答はキチンと受け止めたし、ファン熱望のyukihiroせんせー生声を引き出した功績も素晴らしい

(うん、ゆきーろさん、やっぱりライブ後はアイス食べたいんだねw)

勿論、ルシエルちゃんのキレに負けず劣らず受け止め返した、ラルク面々もお見事

FC限定ライブだけでは勿体なすぎる楽しさだった

まぁ、FCならではのお得感も嬉しいけどねw

また、ルシエルちゃんではないが、このツアーではAIも活躍(?w)

作らせたラルクキャッチコピーが長文過ぎてwwwでも正確で感心w

ポイントだけ書くと、

hydeさん“ANGELIC VOICE”

kenちゃん“6弦の魔術師”

リーダー“ベースの天才”(だったかな?)

yukihiroせんせー“ドラムセットの支配者”(聞いた瞬間、首もげウンウンしたw)

長すぎAIも面白かったし、兎に角、過去サイコーのMCパート

MC以外でも、演奏中の視線のやり取りや、絡みもしっかりした芯を感じられたのも良かったな

てか、hydeさんとkenちゃん、何でいきなりお揃いでkenタンクトップ着たのwww

会場全員「(「๑•₃•)「 ʷʱʸ?」となったよ?w

yukihiroせんせーはこの最近で一番穏やかな表情で笑っていたし

てっちゃんは舞台セットについて感想尋ねたり、流石リーダーだと感心させられたプロ魂

そう言う演奏以外も含めて全部が、ライブの味わい

 

何回も書いているが、三十余年は決して平坦に流れていない

私が初めて参加したラルクライブは、MC殆どなく、メンバーが視線絡ます事もないまま凍てついた空気だった

その後も何年も活動停滞したり、ライブ期間不穏な噂が流れたりもあった

でも、今日、この喜びに満ちたライブに到った

これはもう、過去を体験した者にとって何と言って良いか判らない程のものがある

昔を知らなくても、4年前、この横浜アリーナでのライブ中止に涙を飲んだ人も多いはず

私も

あの病は、色んなものを折り曲げて行った

その曲げられ撓んだ心に、4年越しの祝福が降り注いだ夜でもあった

だからこそ、あんなに皆、多幸感を発していたのだ

溜まった澱が洗い流された気がした

 

どの曲も何度聴いても素晴らしかったが、個人的にGood Luck MYWAYとBeyBeyに涙してしまった

この4年、呼び出されて連日身内ケアに通っていて

実際、介護と言う程の行為はしていないが、精神的に摩耗する度ににグラマイを口ずさむ事で救われていた

また、先月、長年供に暮らした愛猫が旅立ったのもあり、ByeByeに感極まってしまった

このツアーも少し危うく心配していたが、丁度参加日の谷間に旅立ってくれた、優しい子だった

最近やっと泣かずに過ごせるようになったが、ByeByeを聴き、最後の涙を落として見送りが出来た気がする

こんなふうに、いつも私の中にはラルクの歌が在る

ライブに参加する度、それを噛みしめるのだ

 

喜びも哀しみも、悔しさ、尊敬や尊厳、色んなものを呑み込んでこの時間が流れる

それはL'Arc〜en〜Cielの4人が、積み重ねてきた自信と楽しさに裏打ちされ、揺るぎないものへと進化した時間

4年越しのEuphoriaに溺れる

 

【 4/13 setlist】

1.  All Dead

2. EXISTENCE

3. THE NEPENTHES

4. 砂時計

5. a silent letter

6. Ophelia

7. Taste of love

8. Voice

9. Vivid Colors

10. flower

11. It's the end

12. shade of season

13. Blame

14. 叙情詩   

15. GOOD LUCK MY WAY

16. Killing Me

17.  自由への招待 

18.Bye Bye

19.ミライ

20. Link

21. MY HEART DRAWS A DREAM

 

いってらっしゃい  3/21

1月は行き、2月は逃げ、そして3月は去る月

あっという間に流れる時間を表現しているのだろうが、3月は確かに立ち去り、別れ行く刻だ

 

例年より冷え込みが厳しい今年の3月21日の早朝、大切な大切な存在が旅立った

20年近くずっと寄り添ってきた愛猫が、地上の重力から解放され虹の橋を渡りに行ってしまったのだ

たった独りで

 

覚悟はしていた

なんせもう少しで20歳である

あちこち廻り廻って我が家が最後の願い先、断ったら次の行き場所は保健所と言われた誕生日不明な野良春仔だった

離乳までは動物病院で面倒をみて、病気のチェックもするからと拝み倒された

写真も何も見ず、良心の呵責に苛まれたくないだけで引き取った子が、こんなに長く共に過ごすことになるとは

 

初めて会ったときは、掌に乗る小さな仔でどうなるか心配だった

でも、私の膝に登って寝てくれた

その殆ど感じられない“重み”に、この子の母親になろうと決心出来たのだと思う

 

それからは、いつもこの子と一緒の日々だった

転寝する私のお腹の脇にくっつき、丸まって寝るこの子の鼓動を感じる度に、まるで本当に受胎したかのような気分になっていた

本当に本当に、可愛かった

 

あまりに小さい頃に親から離された反動で異食症だったし、気位は頂上だったし、私に対する執着も凄かった

でも、外出から帰って外門開閉の音に気がつくと、奥の部屋から玄関まで飛んで出てきてお迎えしてくれる賢い子で

『遅いわよ!』とプリプリ見上げる姿を見ると、「ごめんごめん」と謝りながら、なんだか笑えてきたっけ

ちょっとメンヘラ気質ではあったが、頭が良く、家族にはツンデレで甘えてくれる女王様

勢い良く全身で愛情を求める姿は、やがて時間の経過とともにゆったりとしたものになり、この半年は膝の上で寝ては顔を上げ、じっと瞳を見るの繰り返しに落ち着いた

そう、人間の瞳を見るのが好きな子だった

猫は眼を見られるのを嫌うらしいのに、この子は前脚で人間の顔の向きを修正してくるくらい、瞳と瞳を合わせるのを求める癖があった

多分、視られているのを確かめることで、愛情を感じられていたのだろう

 

割と最後の方まで窓辺へ攀じ登っていたので、家の中はボロボロだ

ちょっと座ると膝の上を占拠し『視ろ視るな、モフれモフるな、寝るから動くんじゃない』と威張りまくるんで、下僕は腰痛になったよw

 

でも、それももう全て思い出

今年に入り急激に老化が進み、最後の1ヶ月近くは粗相も増えた

その粗相も本来なら耐え難い刺激臭がする筈なのに、全く匂わなくなっていたのが切なかった

あぁ、こういう形でも命の火の消える様は示されているんだなぁ、と

 

旅立つ前日、別に住んでいる家族2号が見舞いに来た

身内以外を拒否する子なので、長く離れていたもう1人の家族を忘れて嫌がらないかと不安だったが、すんなりと受け入れて抱っこされていた

もう、立ち上がる処か、座る気力もなかったからかもしれないが

それでも、頑張って顔を上げ、久しぶりの家族を見つめていたと思う

でも、そこまでだった

 

夜になると、スポイトでの給水も難しくなってきたので愈々かと覚悟を決めた

この子の最期は一緒に居ようと思っていたので、寄り添って「大好き、うちの子になってくれてありがとう」を何回も何回も繰り返し、撫でて撫でて

それなのに、独りで虹の橋を渡らせてしまった

夜中まで起きていたが、転寝してしまった短い時間の隙に、黙って行ってしまった

6時前に目が覚め、真横にあったお腹を触ったらもう呼吸が止まっていた

まだほんのり温かい気もしたが、動かず虚空を見つめて

ごめん、ごめんね

最期は最初と同じように、膝の上で抱っこしてあげたかったのに

猫は人間に見られないように旅立つと言うが、私が寝潰れるのを待っていたのだろうか

その瞳が最後に見たのは何だったのかな

私の寝顔だったのかな

そうだったら良いな

 

共に過ごせたこの20年近くは、本当に楽しく愛おしい日々だった

それだけに、存在が失われてからのこの数日、気がつくと慟哭している

悲嘆や号泣ですらなく、慟哭

平均寿命より長くいてくれたし、悔いはないと思っていたが、そういう理性を超えて制御の効かない慟哭が、見境ないタイミングで押し寄せている

 

そりゃそうだよね、我が子を喪ったのだから

 

だが、初七日を迎え、やっと思うことが出来た

いつまでも嘆いていたら、この子も心安らかに虹の橋を渡り切れないと

生まれて直ぐ生き別れた本当のお母さんや、兄弟たちにやっと会えるのに、下僕風情が足止めしてはならぬ

だから、もう少しは泣いちゃうかもしれないが、狂ったように嘆くのはやめる

やめなくてはならない

泣き笑いしつつ「いってらっしゃい」と手を振ろう

さようならではなく、いってらっしゃい

虹の橋の先で、思う存分遊んでおいで

そして、気が向いたら戻ってらっしゃいませ

 

慟哭を繰り返し、疲れ果てて10数分ほど寝てしまった時、なんだか不思議な夢を見た

夢の中でも、その直前と同じ状況で寝ており、出勤していた家族1号の帰宅音で目が覚めた

通常の帰宅時間よりかなり早く、焦って夕飯の準備をしようとしたが、家族1号はニヤニヤと笑っている

その視線の先から覚えのある鳴き声がして……箱に入った小さな仔猫がいた

「もう猫は飼わないと言っていたのに何故?!」

とパニりつつ、全く違う毛色のその仔猫をあの子の名前で呼んだり、いやいやあの子とは別猫だと首を振ったりアタフタしながら手を伸ばしたところで目が覚めた

 

ふわふわの全身明るい茶色い仔猫、

途方に暮れた顔をしていたな

サビ毛ハチワレでお腹は白かったあの子とは、全然違う

もしかしたら、新しい服はそういうのを着たいのかな

家にまた来てくれるにしても、そうでないにしても、新しい服もとても可愛かったよ

今までの鍵尻尾な貴女も可愛かった、というかとても美人さんだった

あぁそうか、次は可愛い系でテッペン取りにいくのかな?w

どっちでもいいよ、幸せなニャン生で居てくれたのなら

今までありがとう

新しい世界に、いってらっしゃい

またね

 

 

長々と書き殴って、やっと気持ちの整理がつきました

ネットでは毛玉様(本名は内緒w)と名乗って、時々威張りんぼな姿でウロウロしたあの子のこと、憶えていてくださる方もいるかもしれません

猫とはいえ、これだけ長い歳月を共に居続けるともう自分自身の一部

嘆くのはやめましたが、この欠落感は私自身の意識が続く間は、微かになったとしても消える事はないでしょう

それでいいと思います

そういう存在が、私の人生に居てくれた

それだけでもう、得難い幸せなのですから

 

 

 

 

 

 

kawaiiのキセキ 3/7 L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND 代々木体育館

“可愛いは正義”がこの国の常識になって久しい

が、まさかバンド歴30余年50代メンバーのL'Arc〜en〜Cielで今更それを実感する日が来るとは、思っていなかったw

ファンを嬉しい阿鼻叫喚の坩堝にどっかんどっかん投げ入れてくれている、このunderground tour

多分に漏れず踊らされまくっているので、3回目の坩堝ダイブをしてきた

 

初日に続きアリーナ席getできたもの、かなり後方

東花道はそれなりに見えはしたが、舞台は人の頭越しになったし、全体は映像で楽しむしかなかった

長いラルク史上ではレア曲を並べたセットリストだが、ツアー3回目なのでどれも経験済

が、そんなこたぁ瑣末に感じられるくらい、本当に楽しい時間を過ごせた

 

3回目ともなると、ライブへの臨み方も少し変化

興奮と驚愕で翻弄された初日、俯瞰良席で全体像を堪能できた2回目と続き、今回は視野が多少妨げられていた分、それぞれの音に集中出来た気がする

いやぁ、ラルクってなまじあのルックスだから、外面重視されがちだが、当たり前だがそれだけで30年以上生き抜いてきた訳じゃない

楽曲の秀逸さに加え、メンバーそれぞれの腕の良さが素晴らしいと、年月を重ねる毎に味わい深くなっている

この日は、気の所為か始まりの音響にちょっと違和感があったが、それを圧するtetsuyaのベースに魅了された

今更の今更だが、ホンットーに彼のベースは他と違う

言うなれば歌うベース

花道は比較的見られたが、今回てっちゃんが一番多く渡ってきてくれて堪能

あんなに動き回りながら、あんなに凄いリズム刻めるのは驚愕

ポップなのに軽すぎず、深く円やかな音

やっぱり、このtetsuyaの音が屋台骨でないとラルクじゃない

そして、対照的ですらあるyukihiro先生の先鋭緻密なドラムが、世界を引き締める

今回ツアーではドラムソロが見られず、一昔前の気迫溢れる千手観音神技が恋しくあるが、それはそれとして、やっぱり精巧なユッキードラムは堪らない

重いドラムではなくソリッドでシャープなyukihiroドラムがあるからこそ、華やかなラルクの世界が引き締まると思っている

でも、やっぱり鬼気迫るソロパートにも翻弄されたいので、そろそろお願いしますw

そんなリズム隊の上を縦横無尽んするkenギターの奔放さもまた、ラルクにはなくてはならない音

前半、なんとなく今夜は控えめ?と感じる事もあったが、彼の作る曲同様、昏く華やかな啼きがライブを盛り上げる

東花道は1回しか出てくれなかったのと、舞台上でも私の場所からは殆ど見えなかったのが残念

なんと言っても、kenちゃんMCがないとラルクのライブじゃないしww(後述)

そして、この特異で一筋縄でないかぬ演奏隊を彩る声、hydeときたら

いつも書いてしまうが、ホント、これ以上はないと思うのに歳を重ねる毎に歌唱力上がってるのが怖い

正確に言えば、一時期、低迷期はあったと思うが

ソロの癖が出たり、歯列矯正(?)影響かで、かなり首を傾げてしまう事もあった

更にこれはどうしようもないが、加齢による声の変化も否めない

でも、そう云う問題を捻じ伏せた、今の歌唱が震えるくらい素晴らしい

特にa silent letterが印象に残った

暗転した照明に、白目と黒目が逆転して見えたhydeは吸血鬼のように見え、最も美しい絶望を歌ったこの歌は、もしかしたら日の当たる世界から引き剥がされる姿を歌ったのかと思わせるくらい、物語を感じさせる歌唱力だった

秀逸な楽曲、卓越した演奏、その上にhydeのあの歌唱が重ねられると、数分の曲が壮大な長編映画のような世界を作る

どの曲も同じような平坦で狭い世界しか見せてくれない傾向のある今のJ-POPと、ラルクは一線を画している

4人の縦横無尽な魅力が、円形の舞台で結ばれ、凄まじいパワーとなる

将に、ライブの醍醐味

兎に角もう、楽しくて楽しくて、踊りまくっていた……前日に腰痛悪化させて死にそうだったけどwwライブ帰って2日間動けなくなったが悔いはないw

色んな意見、趣味嗜好はあろう

だが、L'Arc〜en〜Cielは、日本の商業バンドの一つの頂点だと私は思っている

紆余曲折あったが、30余年の歴史は無駄や伊達でない

 

と、なんか真面目にド熱く語ってしまったが、ラルクのライブの楽しさは途中のMCにもあり

と言うか、kenちゃんのアレ話w

今夜も定番なアレ話しだったが、そこからの流れが意表を突く展開で忘れられない

話の始まりは、kenちゃんが昔観て忘れられない大阪のお笑い番組から

下半身を振り回し、ペチペチ╰∪╯太鼓をする場面があったそうで

えぇ、kenちゃんも嬉々として真似をし……付け根が血まみれになったんですって……╰⋃╯

いや、もうね、こういう話慣れてはいる

我々も耐性ついてるw

だが、このあとの展開は一寸予想外過ぎて、逆ノックダウンされた

kenちゃん、何故か自分の血塗れ╰U╯話がAIチャットでどう扱われるかが気になってそちらに熱中し始める←意表を突かれるがkenちゃんのやることだしw

それと話を絡めていたhydeさん、舞台に座り込んで足をバタバタさせた姿に観客が可愛い発言←(*´・ω・)´-ω-)ウン

までは、或る意味、驚かない流れ

が、そこからの、hydeさん“自分は可愛いAIホログラム”と言う発言が坩堝に投下www

ここで、冒頭に書いた可愛いは正義を体現する天下無双バンドが爆誕したw

 

うん、可愛いよ、それはファン全員の意見一致してる

だが、まさかこのお歳になられてから、御本人に全肯定宣言されるとはwwww

腰痛なのに、仰け反って倒れるかと思ったw

でも、判る

この何年か、しきりにファンを可愛いと仰っているのもそうだが、年齢を重ねると色んなものが可愛く思えてくるんだわ

それは今までの軌跡に培われた自信が、周囲を、そして自分自身を認められるようになると自然と発露する感情だと思う

そう云う精神的可愛いだけじゃなく、AIホログラム的カワイイも含めた発言だろうけどw

hyde御本人が何処まで意図したのかは判らないが、とってもアレな血まみれ╰∪╯をカワイイに持って行ったのはお見事

Kenちゃんも話に乗って、カワイイ自認の可否を他メンバーにも振って

tetsuyaは自分を可愛いと思うのではなく、「可愛いものが好き」と返したのは何か納得

この方はもっと若い頃から、そう云う他者の可愛さを容認して纏める意識を持っていたから、ラルクを作れたのかと思う

ユッキーは話を振られても話こそしなかったけれど、苦笑いしつつドラムで返答

レスポンスが出来たことだけでも、尊いw

昔はちびっと話してくれたんだけどなぁ

塊魂キグルミと絡んでくれたのは、もう10数年も昔のことかな?

次は1言でもお恵みをw

そして、血塗れからカワイイを引っ張り出したkenちゃんも、hydeさんに( ∂∀6)「カワイイよ」と言われてテレテレして目出度くMC終了w

 

ダラダラと書いてしまったが、こういう場面を体験出来るのがライブの醍醐味なので

ラルクはあの容貌なので、どうしても実力よりそちらを重視されて歯がゆい時期もあっただろう

でも、歳月を重ねて、今は或る種の笑い話にもできる余裕が持てるようになった

それは彼らが長年描いてきた軌跡が生み出した、L'Arc〜en〜Cielという貴石の奇跡なのかもしれない

 

インターバルでのラルクイズ(難しくて1問目で脱落した落ちこぼれw)では、数多くの海外ファンが映されて胸熱

世代も幅広く、老若男女が夢中になっているのを感じられたのも嬉しい

これだけ多くのファンに愛されていたら、可愛いと言いたくなるよね

ファンも自分も

kawaiiは正義、kawaiiはキセキ

L'Arc~en~Cie「underground tour」参加3日目だが、全く飽きることなく多幸感に包まれた奇跡の夜でした

 

【 3/7 setlist】

1. THE BLACK ROSE
2. EXISTENCE
3. THE NEPENTHES
4. 砂時計
5. a silent letter
6. Ophelia
7. Taste of love
8. Voice
9. Vivid Colors
10. flower
11. It's the end
12. Cureless
13. Blame
14. 叙情詩
15. GOOD LUCK MY WAY
16. Killing Me
17.  NEXUS4
18.Bye Bye
19.ミライ
20. Link
21. MY HEART DRAWS A DREAM

 

 

 

その鳥の舞い降りる処 2/11 L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND 代々木体育館

黒い翼の鳥が、嵐の夜を支配するかのように旋回する映像からライブは始まる
代々木はまだ青空が見えているだろう早い時間に、UNDERGROUNDへの扉は開けられた

初日8日に続き、この日もL'Arc〜en〜Cielのライブに
有り難いことにチケ運だけは良く、希望した日は全通出来るし、この日は敢えてのスタンド席にしたのが大当りで1階中央の良席
背が低くても舞台がよく見える上に、通路ステージ真正面、全体俯瞰出来るので観察にも最適な位置
ラッキー過ぎて、頬を抓って”夢じゃない”としてしまいそうになったw
図々しく話しかけてしまった隣席のお嬢さん達も大変優しく、8日同様開園待ちも楽しく過ごすことができて感謝

いや、ホントいい席で浮かれていたら、OP1曲目でヤラれた
あざとい、あざといよラルク
1曲目をチェンジしてくるのは兎も角、《THE BLACK ROSE》突っ込んでくるってナニゴト!?
イントロ、《ALL DEAD》と同じ音だから、殆どのドエルが一瞬理解追いつかずフリーズしたよ?www
皆殺しから別曲にしても、やっぱりドエル殺ししてくるセンスが恐ろしいw
ALL DEADの壮烈な慟哭が、ねっとりと濃密な事件の扉を開ける黒薔薇に取って代わっただけで、この日の全体の雰囲気がかなり変わった気がする
カッチリ目な軍服風な初日衣装が、女優帽になってたしw
初日より昏く艶やかに彩られて、《EXISTENCE》《THE NEPENTHES》《砂時計》と熱唱が続き、静謐な諦観と希望を含む《a silent letter》の深い歌唱は胸にすとんと落ちてくる
初日よりは良かったサックスの《Ophelia》にちょっとホッw
それ以降の曲も順調で、縦横無尽に舞台を動き合わる姿がよく見える席だったので堪能できた
MCは後でまとめて書くが、3人がいつもよりは良く絡んで話していたのでとても良い雰囲気だったのも嬉しい
で、或る意味、安心して油断していた処に、想定外の爆弾《Cureless》が再度投下されて、ホント、膝が崩れそうになった
悲鳴上がってたよ?w
まさか、またも初体験曲がくるとは思ってなかった
そもそも、ラルクライブ市場では高値取引されるレア曲オンパレードだった今回、2曲も前日と違う曲入れて来るとは思わなかったし
ドエル殺しww
勿論、これらドエル殺しレア曲以外の演奏も良かった
正直、まぁそれ連日同じ並びと言われればそうなんだが、それでもライブ定番曲から外れた曲たちに包まれるのは嬉しい
初日より熟れた感だったし
スタンド良席だったので、hydeとメンバーが絡む演奏姿を見られたの眼福
MCもそれぞれが前回より話してたかな
特にkenちゃんお得意のエロ系アレなMCが、アレじゃない方に持っていこうとして結局アレになったのが秀逸ww
ken「小さな子供が多いと聞いたら話せないと」言いつつ、おっぱいプールについて熱弁したのはここ最近で一番なMCだったのではwww
おっぱいプールの需要と供給が成立しているのに出来ない悲しみw
hydeさんもなんやかんや言いつつ食い付き「おっぱい堪能するにはクロールしたら」と言うが、kenちゃん真顔で「いや、平泳ぎだ」と返されて撃沈www「天才か!」と笑い転げてたwwうん、天才だよねwww
こういうバカバカしいやり取りが楽しいw
(因みに子供に聞かせられないと気にしたkenちゃんに、hydeさん「でも、小さい頃の鈴木福くんが居たときもMCしたんだよww」とツッコミw 多分、夢で腰を振った話だったかな)
tetsuちゃんと「若い頃、愛ってなんだか判らなかった」と話したときは《what is love》が来るのかとちょっと期待したり
hideさんは舞台と客席の近さを何度も触れ、反応の大きなお客さんをからかったりかなりご機嫌さん
「今までだって、意外とはっきり客席見えてるんだよー」と言われ、十数年前の記憶が蘇り、独り動揺
やっぱり代々木で中央2列目になった時、目があった気がした瞬間「ジャンプ!ジャンプ!ダイエット!」と掛け声されたんだよwwwあれは、勘違いじゃなく私向け発言だったのかもと思っても許されるかなww
と、瞬時にそんな事を思えるくらい、楽しいやり取りが多かった
そして、MC終わりにいつもの無言ユッキーにコールが大きくなったら、膨れっ面してみせ「ボク、ユッキーだよ!」と裏声してみせて観客大歓声w

ラルク30余年、山あり谷あり崖っぷちあり、相当な難関をくぐり抜けてきた果てのこのMC
しみじみと幸せを感じた
黒い鴉〈L'Arc〜en〜Ciel〉が舞い飛び続け、降りてくる先は此処でしか無ない
どれだけ避けても、遠回りしても、結局は4羽揃って、ファンという巣に戻ってきてくれる
白い希望の鳥となって

終盤は、定番化した曲が多い前回と同じ構成だったが、観客を包み観客に包まれながら前に進む心を奮い立ててくれる世界だから、これはこれで良い
長い長い鳥たちの飛行時間は、決して無駄ではなかった
その幸せを噛み締めに、私はライブに行くのかもしれない
欲張りなので、まだ3回のチケットを手に入れている
舞い降りてくる場所が変わらないとしても、更に高く美しい世界を観られることを夢見つつ


【2/11 setlist】
1. THE BLACK ROSE
2. EXISTENCE
3. THE NEPENTHES
4. 砂時計
5. a silent letter
6. Ophelia
7. Taste of love
8. Voice
9. Vivid Colors
10. flower
11. It's the end
12. Cureless
13. Blame
14. 叙情詩
ラルクイズ
15. GOOD LUCK MY WAY
16. Killing Me
17. NEXUS4
18.Bye Bye
19.ミライ
20. Link
21. MY HEART DRAWS A DREAM

地下に架かる虹の祝福 2024/2/8 L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND

遠足は家に帰るまでが遠足、ライブは感想を書き上げまでがライブ
これを守ってきたのは、いつまでだったろうか
長文書きが辛くなってきたのとコロナ禍でライブ通いが途絶えたのが重なり、すっかり逃げ癖がついていた 
が、去年、お気に入り次男坊のライブに行き、久々に“最後までライブする”楽しさを思い出せたので、ここは長男坊の感想を書かずにはおれない
と、何年経っても相変わらずの駄長文前振りから始めるw


1言で言えば“闇の耀きと祝福”
一昨年2022年の30thライブ以来の、満を持してのツアー初日、FC限定ライブはそんなイメージだった
常々、ラルクはこれ程巨大な存在ではあるが、王道を歩めない、いや“歩まない”バンドだと思っている
綺麗事だけでなく、影も咎も飲み込み歩んだ軌跡が覇道となった存在
そうして築き上げたラルクのUNDERGROUND帝国にドエルが募った夜は、耀きと祝福以外の何であろう
本当に濃密な時間だった

開演までの映像からして、既に雰囲気が作られ始めていた
雷鳴轟く雨の夜に不穏な期待が高まる
やがて怪しげな城の元、出現するラルク4人衆
何だかホグワーツの魔術師連の様に見えた……けど、3人は学生でkenちゃんだけ不良教師かなw
UNDERGROUND城にデータ召喚されたかの様に4人はデジタル映像で紹介され、演奏が始まった
仰け反った、えぇ第一音聴いた瞬間、仰け反って笑いが堪えられなくなりましたとも「こう来たか!」
《ALL DEAD》、皆殺しから始めるとは、どれだけ宣戦布告したいんかいww
UNDERGROUNDに集うドエル民には、このエグ責めこそ何よりのご褒美w
確か、前回演奏した18年前「皆殺しなんてトンデモナイ曲」的MCをしたと思うが、今回の演奏は更に凄みを増していた
発表当時の《ALL DEAD》は、青年期特有な絶望感に苛まれた世界を歌っていたと思う
しかしこの夜のこの歌は、更に上を行く存在からの慟哭の様に感じられたのだ
恰も、地獄に落とされたルシファーが、世界を、神を詛うが如く
長い歳月に積み重なれ、練り上げられた歌唱力がこの曲を更に大きな世界に押し上げたのではないか
その位、hydeさんの歌は凄かった
不見識無礼千万を承知の上で言うと、hydeさんは立ち上がりが遅い傾向があると思う
初日より後日、後半の方が声が開き、艶を増す
しかし、この夜は初っ端からテンションMAX、攻めに責めて(誤字に非ずw)来た

なんせ、独裁者を思わせる軍服風衣装
ルシファーが降臨しても不思議じゃない威光が放たれていた
因みに、kenちゃんチェ・ゲバラを彷彿とさせる格好と雰囲気
tetsuyaリーダーはオサレ大学生な格好から、いたいけな巨大リボン衣装へとチェンジw
yukihiro先生は割と普通目なシンプル衣装だったが、異端の中の普通こそ異端の極みなのかもと思わせたw
毎回、衣装がバラバラなのも、このバンドを象徴している

と、話題脱線
まだ1曲目でこの長さ
無駄なく判り易く書けない性分だが、自分の中を整理するために書いているので良しとすw

閑話休題

ドエル皆殺しからの、不安を煽る《existence》、ねっとり媚薬《THE NEPENTHES》(大好き!)と続き、不安定な焦燥感が心引っ掻く《砂時計》がザラザラと流さされて、UNDERGROUNDドエル民の迷える子羊魂の救済をチラつかせる《a silent letter》で完全に陥落
この流れのエグさ、ドエルなら判ってくれるでしょ?w
何がエグいかって、一見優しい救済に聴こえる《a silent letter》は、慈愛に満ちながらも突き放す残酷さを秘めたラルクからの“手紙”だということ
少なくとも私はそう解釈し、だからこそ愛し涙してしまう
前回演奏されたのが、ラルク史上最もデリケートで厳しかったREAL TOURだったのも大きい
私に取って初ライブ初ラルクであり、あの薄氷を踏むようにヒリヒリした空気は今も忘れられない
そんな中で演奏された《a silent letter》は一条の光であり、浄化であり、それと同時に冷徹な拒絶を感じさせるものであった
割と序盤のここにこの歌をもってこられると、心が揺らぐ
あの時の状況を覚えている身には、おラルク様、ホント、エグいです
と同時に、どういう形であれ、今も継続して存在してくれている事の僥倖を噛み締め、涙腺が更に緩んでしまった

しかし、私の心の揺れや高揚なんか大河を漂う一葉に過ぎず、次から次へと押し寄せるレア曲の大波に翻弄されるしかないw
と言いつつ、UNDERGROUNDドエルなので《Taste of love》以外は全部ライブ経験してると思う
どれだけドエルなんだかと自分を呆れるが、多分、この夜に集まった人のかなりの数が同じ経験してると信じたいw
流石に28年ぶりの《Taste of love》は経験していないが、この場にはそれも経た豪傑が結構いたかもしれない
ラルクのライブ周期的には然程前と言えない(と言っても7〜10年ぶり)《Voice》や《Blame》は初期作品なので有り難く、《It's the end》と《shade of season》もレア感アリアリ曲で更に気分高揚
1本の映画を観たような深い造作と感情にダイブする《叙情詩》は、何度聴いても心に刻まれ、余韻嫋嫋で前半終了
yukihiro先生の千手観音ドラム〆が無かったのは寂しいが、今回の地下帝国ライブはこれはこれで良かったのかもしれない(が、やっぱり聴きたいけどねw)

ここで一休みと思いきや、やっぱりドエル酷使は続いて
出題者出てこいと言いたくなるような、途轍もなくマニアック難解なラルクイズが吹っ掛けられたwww
記憶力皆無なので、早々にリタイア
並んでいた古参組と思しき方はかなり頑張っていたので応援したが、やはり離脱
と言うか、ラストまで辿り着けたのが多分お1人!代々木体育館、ドエルがみっちり詰まっていたのに、たった1人!!
その賢者も、最終問題で玉砕
いや、何年か前のツアーカーの走行距離なんて判る人がいるかぁ?
エグさの極みだぞ〜〜www
後半MCでてっちゃんが「正解者居ないの?ドエルなのに?」と責めて来たけど、出題聞いて納得してくれたw
ホント、スタッフ含めて皆エグ可笑しいよww
 
と、そんなドエルいじめ後の後半は比較的よく演奏している定番曲多めの展開
とは言え、力強く前進を押してくれる《GOOD LUCK MY WAY》からの再開は気分も上がった
実はこの曲、発表当初は然程好きではなかった
イヤ、寧ろ積極的に聴くことはないと思っていたくらい
だが、長い歳月を経た今、気がつくと口遊んでいるくらい心の支えになっている
なかなかにしんどい状況に陥ったこの数年、この歌の明るく鼓舞するパワーに力づけられた
だから、飛び上がりながら一寸泣きそうにもなったのは内緒w

そして、《Bye Bye》にも
ラルクのスタッフと言えば、ある程度のファン歴のドエルには思い浮かぶ方がいる
この方の早世を悼んだ曲が《Bye Bye》だと言われているのだ
大昔、ライブ会場でこのスタッフさんだと思しき方を間近で見たことがある
その折、感嘆したように「良いなぁ」と言葉を零していたのを忘れられない
この曲をライブで初演奏した折、涙ぐんでいたように見えたhydeさんの事も
ファン歴もそれなりになると、こんなエグレアライブをやられたら、同時に押し寄せる記憶も幾つも湧いちゃうんですわ……
それは、L'Arc〜en〜Cielという巨大なUNDERGROUNDに堕ちたドエルの呪いであり、祝福でもあると思う

終盤の《ミライ》の“歌声を糧に”で、祝福に降り注ぐ耀りが弥増した
我々ドエルの中に流れるメロディはL'Arc〜en〜Cielであり、糧になる歌声はhydeさんの歌であると同時に、ここに集まった皆の声でもあった
会場全員で“Oh,glory day our hearts forevermore”とコーラス出来た時、数年ぶりの声出しに開放感を味わうと共に闇に朝を呼べた喜びを体感出来た
「これがやりたかった」と言ったhydeさんの満ち足りた表情
再度書く
巨大なモンスターL'Arc〜en〜Cielが創ったUNDERGROUND帝国には闇が満ちているが、そこにも耀きはあり、朝も放たれる祝福がある
1人でも独りではない
あのコーラスは、L'Arc〜en〜Cielの歴史に間違いなく大きな耀きを響かせた

まぁ、この後、年寄りにはキツいジャンピングとクラップ強制される《LINK》があるんですけどね
ラスト前にこの曲定番化されて以来、いつか倒れるんじゃないかとドキドキしてるwww
盛り上がるが、肉体的にソロソロ限界w
からの、これまた定番な《MY HEART DRAWS A DREAM》でラスト
定番中の定番を多様することに色んな意見もあるようだが、今回はこの曲で正解だったと思う
個人的には《虹》〆を切望しているが、コロナ禍抑制から解き放たれた今回は、それでも諦めなかったドエルたちの夢を解き放つこの歌で、自分自身をも祝福できたから
大袈裟だが、L'Arc〜en〜Cielのライブはそう思わせてくれるパワーがあった

長々と書いておいて、自分の感情ばかりでライブの詳細を殆ど書いていなかったのを反省
兎に角楽しくてテンションぶっとんでしまい、演奏についてそこまで神経を配って聴くことが出来なかったのだ
お姿も偶に通路に出てきてくれたとき、やっと拝見出来る位だったし
それでも演奏面含めて、満足できたと言える
あの場の全員を支配するhydeさんあの声は、確かに魔術師の技
少し前、歌唱の癖が強くなりすぎて気になったが、ここ最近はホント、目を見張るくらい表現が素晴らしい
音程や声量を論ったら、もっと上行くシンガーは数多い(実際、幾ヶ所か怪しかったり)
だが、曲を音程だけでない世界を広げ、掘り下げる表現の美しさは群を抜いている
あ、言うまでもないが、お姿の美しさも
多分《ミライ》で大写しになったとき、思わず『女神様……』と拝みたくなるほど、年齢性別を超越なさってましたw
年齢に関しては、メンバー全員超越しまくってますがね
容姿だけでなく、怒涛の指使いで嘗ての若さを凌ぐtetsuyaリーダーに、安定の千手観音なyukihiro先生(は、やっぱり無言だったが何度も呼びかけられたらニッコリ微笑んだしw)
そして、kenちゃんはあの魂震えるギターとそれを打ち消すシモネッターぶりは変わらずで、感動すら覚えたww
一応、時流を鑑みて自粛しようとはなさった……かなw
おっぱいプールを大人しめなテーマと思っちゃうくらい、ドエルは免疫できてるんです
過去MC思い返すと、もうね、乾いた笑いしかないw(余談だが、横アリFCライブで「五月みどりさんの妹の名前が思い出せない」と話したとき、「小松みどりさん!」とレスポンスしたのはワタクシですww年の功w)
おっぱいプールの需要と供給を熱弁し、それをより堪能するのは平泳ぎと論破
hydeさんを床に転がすほど笑わせて「天才!」と言わせた今回は、kenちゃんシモネッター史上最高作だった……てことにするw

そんな彼らが舞台から降りる時、hydeさんとてっちゃんがハグしたのも胸熱
紆余曲折ありまくりだし、今だって危ういエッジの上を走ってるのかもしれないラルク
でも、30年以上の時間は無駄でなかったと信じさせてくれた
それこそが、UNDERGROUNDドエルたちへの最大にして最高の祝福だろう


長々書いたが、まだ書き足りぬ
11日も行くので、また違う角度で味わいたい
尚、このツアーは計5日通う予定
お独り様特典か、チケット当選率は高いw
久々おラルク様に抑制が効かなくなって、贅沢にもプレミアム席も取っちゃったのでこの初日もアリーナ
今回の運は一寸だったみたいで、アリーナ最後列でチビには少し難ありで残念
でも、周りの方がとても良い人揃いで、取れなかったテープを分配したり、突然の話し掛けにも大人対応して下さったので本当に愉しかった
今回は久々にナンパ成功して、素敵フォロワーさん捕獲したしww
アリーナ後方から見えたドエルたちは、アリーナもスタンドも心底嬉しそうに耀いていた
その姿に祝福を

【2/8 setlist】
1. All Dead
2. EXISTENCE
3. THE NEPENTHES
4. 砂時計
5. a silent letter
6. Ophelia
7. Taste of love
8. Voice
9. Vivid Colors
10. flower
11. It's the end
12. shade of season
13. Blame
14. 叙情詩
ラルクイズ
15. GOOD LUCK MY WAY
16. Killing Me
17. NEXUS4
18.Bye Bye
19.ミライ
20. Link
21. MY HEART DRAWS A DREAM

白い部屋から抜け出して 10/29sleepy.ab25周年記念ライブ 新代田FEVER

新代田FEVERでの、sleepy.ab25周年記念ライブを観てきた。
私が好きなバンドの中で、2番目に長寿の次男坊w(長男は35年以上だけど、滅多に目覚めない某虹バンド……)
ざっと調べたがファンになって15年位、ライブもそれなりの回数観てきた。
だが、この数年はコロナ禍と個人的事情でなかなか足を運べず、バンドver.で最後に観たのも、20周年記念ライブだったと思う。
あぁ、こうやって人は目覚めていくのかと少し寂しくあった。
そんな状況で今回もあやぶまれた記念ライブ、割とギリギリに行ける事になり、久しぶり過ぎて興奮半分怯懦半分の不思議な高揚と共に臨んだ。

端的に言えばこの夜は、変わらず有り続ける事の美しさに満ちた時間であった。
変わり続ける現代に於いて、sleepy.abはとても貴重な存在だと改めて体感。
変わらず在り続けるその音に満たされ、浄められた者は多い。
この夜も恐らく。
観客の多くが目を瞑り、揺蕩う。
音響浴をしているかの様に。
25周年且つワンマンと言う事で、以前より男性率が増し気味だったが、観察した範囲だと男性の方が目を瞑り、音に深いダイブしている方が多かったように感じた。

そう、音にダイブ。
sleepy.abは浮遊感のイメージがあるが、その音は深海に惹き込む様でもある。
故に、聴く者の中に浸透し、何処か大切な琴線に触れるのだ。
今夜は一入深い浸透で、涙する人も居たのでは。
斯く言う私もで、初っ端「アクアリウム」「メロウ」からもう。
“誰も知らない白い部屋に”居た様なこの数年の個人的事情に突き刺さるものがあり、心掻き乱された。
“忘れてゆく事で選んだ強さ”を盾に立ち尽くす自分の姿が、音の鏡に映し出されたようで震えた。
成山さんの言葉は優しく、だが冷徹に心を抉る。
白い雪景は、美しい。
と、同時に、身体を凍てつかせる。
彼の歌詞はそんな雪景の様だと、この日改めて感じた。
この二律背反があるから、我々は四半世紀も眠りの森に彷徨い続けているのかもしれないとも。

今夜は特に歌詞に反応してしまったが、演奏、歌唱共に流石25周年だと感嘆。
sleepy.abは軟いバンドだと勘違いされがちだが、演奏凄いです。
ふわふわしたイメージで聴くと、ズブリとヤラれますw
特に数年ぶりの山内さんのギター、変態っぷりに磨きが掛かってたし。
バンビの様に震えてドレミから練習し、今のあの音に至ったと思うと感慨一入w
また、甘く影を帯びた成山さんのお声も健在。
声量もいい感じで深く響き、表現力も変わらず豊か。
実は元はギター担当だったと言う(初聞き!)田中さんのベースも、成る程だからあんなに華やかな音だったのかと納得w
元々は山内さんのふわふわ音ベースと、ゴリゴリブイブイイングヴェイ風な田中さんのギターでsleepy.abは始められたそうな。
もし、そのままだったら、彼らはどんな音を作っていたのかと想像するのも楽しいw
それ等全てひっくるめてsleepy.abを形作り、変わらず響き続けてくれた重みを噛み締めた1夜だった。

sleepy.ab独自な世界を確固として持ち、力量もある。
過去曲含め、世に並べ遜色ない。
東京本拠だったら、更に前に居たと思う。
が、彼らは北の大地を選んだ。
その遠さが壁となり、上にのし上がる事を阻んだのは否めない。
しかし、その雪の壁が彼らの世界を守り続けてくれたとも思う。
降り続く雪は柔らかく、積もる事でしっかり固められ、変わらず力強く在り続けてくれた。
それがsleepy.abなのだと。

そんな事をつらつら考えながら聴いていたら、尊さすら感じて胸が熱くなった。
25年って、そう言う重み。
ずしんと響いた。

とは言え、この重みもまだまだ。
活動もいい加減緩やか過ぎだし、そろそろ新作も希望。(私がお休み中、ライブで発表された曲があったようだが。この日の「potsun」とか)
長寿某虹色バンドと違い、sleepy.abは互いに気心知れ仲も良好な様子なので、来年こそはマメな活動をと願っても良いかな?
山内さんが「毎年周年ライブ!」と確約してくれたしw

今まで1度しかライブ演奏していないと言う「HUSH」(ホント?w)も聴けたし、sleepy.ab唯一縦乗り曲「Euphoria」で踊れた。
アンコールでは私が一番好きな「SCENE」が来て歓喜しつつ、その音景流氷犇めく灰色の海が視えた気がし、グっときた。
〆の「24」に或る種の祝福めいたものを感じ、高揚と共に終演。
何たる幸せ
変わらぬsleepy.abの音景は、優しく美しい。
そして、仮借なく切り込み、強かだ。
優しい音景は、だが容赦なくそこに立ち尽くす自分の姿を浮かび上がらせる。
音楽とは、その音に浸る事で己自身の声に耳を傾ける事だから。
十数年聴いてきた私に取ってのsleepy.abは、そんな存在だと25周年の夜に再認識した。
冷静さと多幸感がビシビシ降り注ぐ、得がたいライブであった。
変わりなき彼らの世界が、変わりなく続いて行きますように。