Over the Rainbow

その音を探しに

地下に架かる虹の祝福 2024/2/8 L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND

遠足は家に帰るまでが遠足、ライブは感想を書き上げまでがライブ
これを守ってきたのは、いつまでだったろうか
長文書きが辛くなってきたのとコロナ禍でライブ通いが途絶えたのが重なり、すっかり逃げ癖がついていた 
が、去年、お気に入り次男坊のライブに行き、久々に“最後までライブする”楽しさを思い出せたので、ここは長男坊の感想を書かずにはおれない
と、何年経っても相変わらずの駄長文前振りから始めるw


1言で言えば“闇の耀きと祝福”
一昨年2022年の30thライブ以来の、満を持してのツアー初日、FC限定ライブはそんなイメージだった
常々、ラルクはこれ程巨大な存在ではあるが、王道を歩めない、いや“歩まない”バンドだと思っている
綺麗事だけでなく、影も咎も飲み込み歩んだ軌跡が覇道となった存在
そうして築き上げたラルクのUNDERGROUND帝国にドエルが募った夜は、耀きと祝福以外の何であろう
本当に濃密な時間だった

開演までの映像からして、既に雰囲気が作られ始めていた
雷鳴轟く雨の夜に不穏な期待が高まる
やがて怪しげな城の元、出現するラルク4人衆
何だかホグワーツの魔術師連の様に見えた……けど、3人は学生でkenちゃんだけ不良教師かなw
UNDERGROUND城にデータ召喚されたかの様に4人はデジタル映像で紹介され、演奏が始まった
仰け反った、えぇ第一音聴いた瞬間、仰け反って笑いが堪えられなくなりましたとも「こう来たか!」
《ALL DEAD》、皆殺しから始めるとは、どれだけ宣戦布告したいんかいww
UNDERGROUNDに集うドエル民には、このエグ責めこそ何よりのご褒美w
確か、前回演奏した18年前「皆殺しなんてトンデモナイ曲」的MCをしたと思うが、今回の演奏は更に凄みを増していた
発表当時の《ALL DEAD》は、青年期特有な絶望感に苛まれた世界を歌っていたと思う
しかしこの夜のこの歌は、更に上を行く存在からの慟哭の様に感じられたのだ
恰も、地獄に落とされたルシファーが、世界を、神を詛うが如く
長い歳月に積み重なれ、練り上げられた歌唱力がこの曲を更に大きな世界に押し上げたのではないか
その位、hydeさんの歌は凄かった
不見識無礼千万を承知の上で言うと、hydeさんは立ち上がりが遅い傾向があると思う
初日より後日、後半の方が声が開き、艶を増す
しかし、この夜は初っ端からテンションMAX、攻めに責めて(誤字に非ずw)来た

なんせ、独裁者を思わせる軍服風衣装
ルシファーが降臨しても不思議じゃない威光が放たれていた
因みに、kenちゃんチェ・ゲバラを彷彿とさせる格好と雰囲気
tetsuyaリーダーはオサレ大学生な格好から、いたいけな巨大リボン衣装へとチェンジw
yukihiro先生は割と普通目なシンプル衣装だったが、異端の中の普通こそ異端の極みなのかもと思わせたw
毎回、衣装がバラバラなのも、このバンドを象徴している

と、話題脱線
まだ1曲目でこの長さ
無駄なく判り易く書けない性分だが、自分の中を整理するために書いているので良しとすw

閑話休題

ドエル皆殺しからの、不安を煽る《existence》、ねっとり媚薬《THE NEPENTHES》(大好き!)と続き、不安定な焦燥感が心引っ掻く《砂時計》がザラザラと流さされて、UNDERGROUNDドエル民の迷える子羊魂の救済をチラつかせる《a silent letter》で完全に陥落
この流れのエグさ、ドエルなら判ってくれるでしょ?w
何がエグいかって、一見優しい救済に聴こえる《a silent letter》は、慈愛に満ちながらも突き放す残酷さを秘めたラルクからの“手紙”だということ
少なくとも私はそう解釈し、だからこそ愛し涙してしまう
前回演奏されたのが、ラルク史上最もデリケートで厳しかったREAL TOURだったのも大きい
私に取って初ライブ初ラルクであり、あの薄氷を踏むようにヒリヒリした空気は今も忘れられない
そんな中で演奏された《a silent letter》は一条の光であり、浄化であり、それと同時に冷徹な拒絶を感じさせるものであった
割と序盤のここにこの歌をもってこられると、心が揺らぐ
あの時の状況を覚えている身には、おラルク様、ホント、エグいです
と同時に、どういう形であれ、今も継続して存在してくれている事の僥倖を噛み締め、涙腺が更に緩んでしまった

しかし、私の心の揺れや高揚なんか大河を漂う一葉に過ぎず、次から次へと押し寄せるレア曲の大波に翻弄されるしかないw
と言いつつ、UNDERGROUNDドエルなので《Taste of love》以外は全部ライブ経験してると思う
どれだけドエルなんだかと自分を呆れるが、多分、この夜に集まった人のかなりの数が同じ経験してると信じたいw
流石に28年ぶりの《Taste of love》は経験していないが、この場にはそれも経た豪傑が結構いたかもしれない
ラルクのライブ周期的には然程前と言えない(と言っても7〜10年ぶり)《Voice》や《Blame》は初期作品なので有り難く、《It's the end》と《shade of season》もレア感アリアリ曲で更に気分高揚
1本の映画を観たような深い造作と感情にダイブする《叙情詩》は、何度聴いても心に刻まれ、余韻嫋嫋で前半終了
yukihiro先生の千手観音ドラム〆が無かったのは寂しいが、今回の地下帝国ライブはこれはこれで良かったのかもしれない(が、やっぱり聴きたいけどねw)

ここで一休みと思いきや、やっぱりドエル酷使は続いて
出題者出てこいと言いたくなるような、途轍もなくマニアック難解なラルクイズが吹っ掛けられたwww
記憶力皆無なので、早々にリタイア
並んでいた古参組と思しき方はかなり頑張っていたので応援したが、やはり離脱
と言うか、ラストまで辿り着けたのが多分お1人!代々木体育館、ドエルがみっちり詰まっていたのに、たった1人!!
その賢者も、最終問題で玉砕
いや、何年か前のツアーカーの走行距離なんて判る人がいるかぁ?
エグさの極みだぞ〜〜www
後半MCでてっちゃんが「正解者居ないの?ドエルなのに?」と責めて来たけど、出題聞いて納得してくれたw
ホント、スタッフ含めて皆エグ可笑しいよww
 
と、そんなドエルいじめ後の後半は比較的よく演奏している定番曲多めの展開
とは言え、力強く前進を押してくれる《GOOD LUCK MY WAY》からの再開は気分も上がった
実はこの曲、発表当初は然程好きではなかった
イヤ、寧ろ積極的に聴くことはないと思っていたくらい
だが、長い歳月を経た今、気がつくと口遊んでいるくらい心の支えになっている
なかなかにしんどい状況に陥ったこの数年、この歌の明るく鼓舞するパワーに力づけられた
だから、飛び上がりながら一寸泣きそうにもなったのは内緒w

そして、《Bye Bye》にも
ラルクのスタッフと言えば、ある程度のファン歴のドエルには思い浮かぶ方がいる
この方の早世を悼んだ曲が《Bye Bye》だと言われているのだ
大昔、ライブ会場でこのスタッフさんだと思しき方を間近で見たことがある
その折、感嘆したように「良いなぁ」と言葉を零していたのを忘れられない
この曲をライブで初演奏した折、涙ぐんでいたように見えたhydeさんの事も
ファン歴もそれなりになると、こんなエグレアライブをやられたら、同時に押し寄せる記憶も幾つも湧いちゃうんですわ……
それは、L'Arc〜en〜Cielという巨大なUNDERGROUNDに堕ちたドエルの呪いであり、祝福でもあると思う

終盤の《ミライ》の“歌声を糧に”で、祝福に降り注ぐ耀りが弥増した
我々ドエルの中に流れるメロディはL'Arc〜en〜Cielであり、糧になる歌声はhydeさんの歌であると同時に、ここに集まった皆の声でもあった
会場全員で“Oh,glory day our hearts forevermore”とコーラス出来た時、数年ぶりの声出しに開放感を味わうと共に闇に朝を呼べた喜びを体感出来た
「これがやりたかった」と言ったhydeさんの満ち足りた表情
再度書く
巨大なモンスターL'Arc〜en〜Cielが創ったUNDERGROUND帝国には闇が満ちているが、そこにも耀きはあり、朝も放たれる祝福がある
1人でも独りではない
あのコーラスは、L'Arc〜en〜Cielの歴史に間違いなく大きな耀きを響かせた

まぁ、この後、年寄りにはキツいジャンピングとクラップ強制される《LINK》があるんですけどね
ラスト前にこの曲定番化されて以来、いつか倒れるんじゃないかとドキドキしてるwww
盛り上がるが、肉体的にソロソロ限界w
からの、これまた定番な《MY HEART DRAWS A DREAM》でラスト
定番中の定番を多様することに色んな意見もあるようだが、今回はこの曲で正解だったと思う
個人的には《虹》〆を切望しているが、コロナ禍抑制から解き放たれた今回は、それでも諦めなかったドエルたちの夢を解き放つこの歌で、自分自身をも祝福できたから
大袈裟だが、L'Arc〜en〜Cielのライブはそう思わせてくれるパワーがあった

長々と書いておいて、自分の感情ばかりでライブの詳細を殆ど書いていなかったのを反省
兎に角楽しくてテンションぶっとんでしまい、演奏についてそこまで神経を配って聴くことが出来なかったのだ
お姿も偶に通路に出てきてくれたとき、やっと拝見出来る位だったし
それでも演奏面含めて、満足できたと言える
あの場の全員を支配するhydeさんあの声は、確かに魔術師の技
少し前、歌唱の癖が強くなりすぎて気になったが、ここ最近はホント、目を見張るくらい表現が素晴らしい
音程や声量を論ったら、もっと上行くシンガーは数多い(実際、幾ヶ所か怪しかったり)
だが、曲を音程だけでない世界を広げ、掘り下げる表現の美しさは群を抜いている
あ、言うまでもないが、お姿の美しさも
多分《ミライ》で大写しになったとき、思わず『女神様……』と拝みたくなるほど、年齢性別を超越なさってましたw
年齢に関しては、メンバー全員超越しまくってますがね
容姿だけでなく、怒涛の指使いで嘗ての若さを凌ぐtetsuyaリーダーに、安定の千手観音なyukihiro先生(は、やっぱり無言だったが何度も呼びかけられたらニッコリ微笑んだしw)
そして、kenちゃんはあの魂震えるギターとそれを打ち消すシモネッターぶりは変わらずで、感動すら覚えたww
一応、時流を鑑みて自粛しようとはなさった……かなw
おっぱいプールを大人しめなテーマと思っちゃうくらい、ドエルは免疫できてるんです
過去MC思い返すと、もうね、乾いた笑いしかないw(余談だが、横アリFCライブで「五月みどりさんの妹の名前が思い出せない」と話したとき、「小松みどりさん!」とレスポンスしたのはワタクシですww年の功w)
おっぱいプールの需要と供給を熱弁し、それをより堪能するのは平泳ぎと論破
hydeさんを床に転がすほど笑わせて「天才!」と言わせた今回は、kenちゃんシモネッター史上最高作だった……てことにするw

そんな彼らが舞台から降りる時、hydeさんとてっちゃんがハグしたのも胸熱
紆余曲折ありまくりだし、今だって危ういエッジの上を走ってるのかもしれないラルク
でも、30年以上の時間は無駄でなかったと信じさせてくれた
それこそが、UNDERGROUNDドエルたちへの最大にして最高の祝福だろう


長々書いたが、まだ書き足りぬ
11日も行くので、また違う角度で味わいたい
尚、このツアーは計5日通う予定
お独り様特典か、チケット当選率は高いw
久々おラルク様に抑制が効かなくなって、贅沢にもプレミアム席も取っちゃったのでこの初日もアリーナ
今回の運は一寸だったみたいで、アリーナ最後列でチビには少し難ありで残念
でも、周りの方がとても良い人揃いで、取れなかったテープを分配したり、突然の話し掛けにも大人対応して下さったので本当に愉しかった
今回は久々にナンパ成功して、素敵フォロワーさん捕獲したしww
アリーナ後方から見えたドエルたちは、アリーナもスタンドも心底嬉しそうに耀いていた
その姿に祝福を

【2/8 setlist】
1. All Dead
2. EXISTENCE
3. THE NEPENTHES
4. 砂時計
5. a silent letter
6. Ophelia
7. Taste of love
8. Voice
9. Vivid Colors
10. flower
11. It's the end
12. shade of season
13. Blame
14. 叙情詩
ラルクイズ
15. GOOD LUCK MY WAY
16. Killing Me
17. NEXUS4
18.Bye Bye
19.ミライ
20. Link
21. MY HEART DRAWS A DREAM